最高の技術と素材の競演

No.400

事例情報

建物
マンション
間取り
3LDK→1LDK
面積
64㎡
工事
全面改装
場所
京都市
費用
約3,012万円

美と伝統を認める力と、それに応える技が生み出す至高の住空間

生活感漂うキッチンがリビングから丸見えな事にご夫婦は頭を悩ませていた。床下勾配が十分あったので希望どおりの場所にキッチンを移動。採光・風通しも抜群だ。サニタリーをホテルライクな一体型にリフレッシュ。大切な家族の一員、オウムの住空間をWICの一角に配置している。
茶道、香道、日本舞踊と和の文化に精通するご夫婦は、一流の宮大工による本格的な数寄屋造りを希望。茶室の要である床柱を、ご夫婦自ら北山杉の絞り丸太の銘木を選ぶほどのこだわりだ。障子戸の奥に照明を設ける事で、外の光が室内を灯しているような侘びの雰囲気を味わえる。使ってこそ空間が活きる事をよく理解されており、夜は寝室に、日中は趣味を愉しみ、ゲストをもてなす部屋にと大いに活用頂いている。
和室以外の床と造作家具はご夫婦が木曽に足を運んで選んだ木目の美しい楢(なら)を伝統工芸の「拭き漆」で仕上げている。生漆を塗り、生乾きのうちに拭き取ることを二十数回繰り返しながら少しずつ漆を重ねる。大変手間は掛かるが、木目や木肌をより美しく浮かび上がらせ、使い込むほどに艶が増す、木の素材を愉しめる技法である。
マンションの構造躯体を調査したうえで斬新なプランを実現する。当たり前以上をしてこそ価値のあるリフォームになる。